ヴィンテージ殺人事件

警部「こいつはひどい・・・。」

刑事A「ええ、バールのようなもので2発殴られて死亡ですね、なんと酷いことを・・・。」

警部「で、凶器は見つかったのか？」

刑事B「警部！！たった今犯人が使用したと思われる凶器を発見しました。」

警部「よし、早速鑑定に回すんだ。で、その凶器とは。」

刑事B「荘厳の大天使だそうです。」

警部「ちょっと待て、被害者と犯人はヴィンテージをやってたんだぞ？ヴィンテージでそんなもの使うやつがいるのか？」

刑事B「なんでも犯人は、無抵抗なプレイヤーに殴る蹴るの暴行を加えることしかできないとか。」
刑事A「え？カウンターは入れてないんですか？コンボ相手だったら即死ですよ？」
刑事B「ええ。青を入れてるのにカウンターを入れないなんて馬鹿げた話なんですが、そのようです。」
警部「逆に犯人が殺されててもおかしくない状況だな。何故犯人は被害者を殺せたんだ？」
刑事B「はい、犯人の手口は、まず相手を動けないように拘束するところから始まります。」

警部「ひどいな・・・。」
刑事A「ひどい・・・。」
刑事B「ええ・・・。」
一同「・・・。」
刑事B「相手を縛りあげた後、さきほどの凶器を場に登場させ、まずは一発！！」
警部「ダメージはいくらだ？」
刑事B「大体場に３、４体はクリーチャーが並んでいるので、6点ほどでしょうか。」
刑事A「6点？傷口はもっと深いように見えますが？」
刑事B「ええ、普通ならそうなんです。しかし、ある条件を満たすと、とんでもないダメージになるんです。」
警部「ある条件とは？」
刑事B「場に並んでいるクリーチャーがこういう場合です。」

刑事A「こいつはひどい・・・。これはひとたまりもないですね。」
刑事B「ええ、賛美は重複するので、この2体と天使がでている状態でヴリンの翼馬で殴ったとすると、8点ダメージになるんです。」
警部「なるほど。となると次のターンは天使本体で殴って1０点。ほぼ相手は即死というわけか。」
刑事B「ええ。今回の事件は、そんな状況だったようです。」
警部「なるほど。ヴィンテージでこれをやられちゃ～、仏さんも苦笑いだろうな。」
刑事A「ええ、こんなデッキ使ってるやつはいないですよ。なんでこんな構成にしたんでしょうか。」
刑事B「簡単にいってしまうとヘタクソなんです。」
警部「ヘタクソ・・・。」
刑事A「ヘタクソ・・・。」
刑事B「そう、ヘタクソ・・・。」
一同「・・・。」
刑事B「で、犯人は我々に脅迫状を送りつけてきました。」
警部「何だと！？何と書いてあるんだ？」
刑事B「ブロックされることが多かったから、次回はこれで抹殺する。」

警部「こ、これは・・・。」
刑事A「完全に蛇足ですねえ・・・。」
刑事B「まあ、ヘタクソだから仕方ないんじゃないですかね。」
警部「これ、犯人探さなくても勝手に死んでいくパターンだな。」
刑事A・B「そうですね。」
警部「よし、もうこの事件は解決だ！！さっさと片付けて帰るとしよう！！」
刑事A「そうしましょう！！」
刑事B「ところで警部、先ほど船橋競馬の最終レースの結果がでましたが。」
警部「おお、どうだった？」
刑事B「警部の賭けた馬は3着ですね。」
警部「おお！！複勝的中じゃないか！！よし、今日は飲みに行くぞ！！」
刑事B「いやいや警部、このレースは7頭立てです。」
警部「え？」
刑事B「出走頭数が7頭以下ですと、複勝は2着までじゃないと的中にならないんです。」
警部「・・・。」
刑事A「・・・。」
刑事B「・・・。」
警部「何かすごく疲れたな・・・。」
刑事A「ええ、何か無駄につかれましたね・・・。」
刑事B「あ、じゃあ今日は私がおごりますよ。なんせ12万稼ぎましたんで！！船橋競馬はとりあえず森ジョッキーと本田ジョッキーの３・４番人気の馬に単複賭ければ大体当たるんで楽なんですよね～。」
警部「何か腹立つから、めっちゃ酒飲んでやろう。」
刑事A「ええ、そうしましょう。」
刑事B「やだな～、2人とも怖い顔しないでくださいよ～。じゃあ行きましょう、行きましょう♪」

バタン・・・。（扉の閉まる音）